ベランダ床塗装はDIYでできる?防水との違いと塗り替え時期・費用

ベランダの床が色あせてきた、細かいひび割れや剥がれが目立ってきた。そんなとき、「自分で塗れないかな?」と考える方も多いと思います。ベランダの床の塗装は、見た目を整えるだけでなく、その下にある防水層を守る大切な役割があります。

この記事では、ベランダの床塗装と防水の違い、塗り替えが必要な劣化のサイン、DIYでできる範囲と業者に頼むべき状態、費用が決まる条件、工事の流れを、熊本で塗装・防水工事を行う株式会社佐藤塗装が解説します。

ベランダ床塗装と防水の違い

ベランダやバルコニーの床は、多くの場合、雨水の侵入を防ぐ「防水層」の上に、表面を保護する「トップコート」が塗られています。一般に「ベランダの床塗装」と呼ばれる工事の多くは、このトップコートの塗り替えのことです。

役割
トップコート(表面)紫外線や歩行による摩耗から、防水層を守る
防水層雨水が建物の中に入らないようにする
下地防水層を支える。合板やコンクリートなど

防水層の耐久性を保つには、表面のトップコートが健全であることが前提です。トップコート自体に防水の機能はほとんどありません。トップコートが傷んだまま放置すると、紫外線で防水層が劣化し、ひび割れや剥がれから雨水が入り込む原因になります。反対に、トップコートを定期的に塗り替えていれば、防水層を長く保つことができます。

外壁の塗装は、塗膜そのものが外壁材を雨や紫外線から守ります。一方、ベランダの床では、雨水を止める主役は防水層で、塗装(トップコート)はその防水層を守る役割です。そのため、床の傷みが表面だけなのか、防水層まで及んでいるのかを見極めることが、工事の内容と費用を決めるポイントになります。

ベランダの床が傷む主な原因

ベランダの床は、屋根のように雨や紫外線を直接受けるうえ、人が歩いたり、物を置いたりする場所です。傷みの主な原因には、次のようなものがあります。

  • 紫外線:トップコートの色あせや、表面の劣化を進める
  • 雨水:排水が悪いと水がたまり、防水層の傷みを早める
  • 歩行や物の移動:植木鉢や物干し台を引きずると、表面が削れる
  • エアコンの室外機:置き場所の周りに汚れや水がたまりやすい
  • 建物の動き:地震や温度の変化で、下地と防水層にひび割れが出ることがある

熊本市の6月の降水量の平年値は448.5mmと、梅雨の時期に雨が集中します(気象庁「平年値(熊本)」)。雨の多い時期の前に、排水口の詰まりや床のひび割れを確認しておくと安心です。

ベランダの防水の主な種類

種類特徴
FRP防水ガラス繊維と樹脂でつくる硬く丈夫な防水層。戸建て住宅のベランダで多く使われる
ウレタン防水液体の樹脂を塗り重ねる、継ぎ目のない防水層。形が複雑な場所にも施工しやすい
シート防水塩ビやゴムのシートを貼る防水層。広い面に向く

トップコートは、防水の種類に合ったものを選ぶ必要があります。FRP防水の特徴と補修方法はFRP防水とは?、ウレタン防水の通気緩衝工法は通気緩衝工法とは?で詳しく解説しています。

ベランダ床の塗り替えのサイン

次のような症状が出てきたら、ベランダの床の塗り替えや補修を考える時期です。

  • 表面の色あせや、つやがなくなってきた
  • 細かなひび割れ(ヘアクラック)がある
  • 表面の塗膜が剥がれている、めくれている
  • 防水層が膨れている、踏むとふわふわする
  • 雨のあと、水たまりが残る
  • 排水口(ドレン)に土や落ち葉がたまっている
  • エアコンの室外機の下など、一部だけ変色している
  • 下の階の天井や壁に雨染みがある

トップコートの塗り替えで済む状態と、防水層の補修が必要な状態

状態主な症状必要な工事
軽い色あせ、つやの低下、表面の細かなひび割れトップコートの塗り替え
中程度塗膜の剥がれ、防水層まで届くひび割れ傷んだ部分の補修+トップコート
重い防水層の浮き・膨れ、雨漏り防水層の撤去・つくり直し

見た目では軽い傷みに見えても、防水層の下で浮きが起きていることがあります。当社のバルコニーの防水工事では、塗装前の接触検査で旧防水層の浮きが見つかり、劣化した部分を撤去して、FRPの防水層からつくり直した例もあります。

塗り替えの時期の目安

当社では、ベランダ・バルコニーの防水のトップコートは、約6〜8年の周期で塗り替えることで、防水層までの劣化を防ぎ、トータルのコストを抑えて維持できると考えています。なお、新築住宅の場合は、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)により、売主等は屋根や外壁など「雨水の浸入を防止する部分」について10年間の瑕疵担保責任を負うこととされています(国土交通省「住宅の品質確保の促進等に関する法律の概要」)。築10年以内で雨漏りなどの不具合がある場合は、まず住宅を建てた会社や売主に相談しましょう。

ベランダの床塗装はDIYでできる?

ホームセンターなどでは、ベランダの床用のトップコートも売られています。防水層に傷みがなく、表面の色あせ程度であれば、DIYでトップコートを塗り替えられる場合もあります。ただし、次の点に注意が必要です。

  • 防水の種類(FRP・ウレタンなど)に合ったトップコートを選ぶ。合わないと密着せず、早い時期に剥がれることがある
  • 汚れやコケを落とし、表面を研磨して、十分に乾燥させてから塗る
  • 気温が低い日や湿度が高い日、雨の予報がある日は塗らない
  • 排水口や壁との取り合い(立ち上がり)は、特に丁寧に塗る

塗料の乾燥条件については、国の標準仕様書に対応した塗料メーカーの仕様書でも、気温が5℃以下、湿度が85%以上、結露するなど塗料の乾燥に適さない場合は、原則として塗装を行わないとされています(日本ペイント)。

DIYと業者に依頼する場合の比較

DIY業者に依頼
費用材料費だけで済む材料費に加えて工事費がかかる
向いている状態防水層に傷みがなく、表面の色あせ程度ひび割れ・剥がれ・浮き・雨漏りがある
仕上がり塗りムラや、塗料が合わず剥がれるおそれがある下地の調査から補修まで、状態に合わせて施工できる
注意点防水層の傷みを見落としやすい見積書で工事の範囲と工程を確認する

DIYで塗り替えたあとに剥がれてしまうと、古いトップコートを剥がす手間が増え、かえって費用がかかることもあります。迷ったときは、まず状態を点検してもらい、DIYで済むかどうかを判断するのがおすすめです。

DIYでトップコートを塗り替える場合も、洗浄で汚れやコケを落とし、表面を研磨して十分に乾かしてから、防水の種類に合った材料を塗るという流れは業者の工事と同じです。下地の準備を省くと、塗ったばかりのトップコートが剥がれる原因になります。製品の説明書に書かれた使用条件や、塗り重ねの間隔も必ず守りましょう。

業者に頼むべき状態

  • 防水層まで届くひび割れや、剥がれがある
  • 防水層の浮きや膨れがある
  • 下の階の天井や壁に雨染みがある
  • 前回どの防水で施工したか分からない
  • 2階以上で、手すりの外側など危険な場所の作業が必要

雨漏りしている場合は、表面を塗り直しても直りません。原因を調べずに上から塗ると、かえって原因が分かりにくくなることもあります。当社には雨漏り鑑定士が在籍しており、雨漏りの原因調査にも対応しています(熊本の雨漏り修理)。

ベランダの床塗装・防水の費用

ベランダの床塗装や防水の費用は、当社の料金ページには掲載していないため、現地で状態を確認したうえで個別にお見積りしています(要相談)。費用は、主に次の条件で変わります。

条件費用への影響
面積ベランダ・バルコニーの床と、立ち上がりの面積
工事の範囲トップコートの塗り替えだけか、防水層の補修・やり直しが必要か
防水の種類既存の防水(FRP・ウレタン・シート)と、新しく施工する工法
下地の傷み下地の補修や、傷んだ防水層の撤去の手間
室外機などエアコンの室外機や物干しの移動・養生の有無

見積書では、次の点が書かれているかを確認しましょう。

  • 既存の防水の種類と、今回施工する工法
  • トップコートの塗り替えだけか、防水層の補修を含むか
  • 使う材料の製品名
  • 下地の補修や、傷んだ防水層の撤去の有無
  • 室外機の移動や養生の費用
  • 工事の保証の内容

トップコートの塗り替えで済む段階なら、防水層をつくり直すより費用を抑えられます。劣化が進んで防水層の補修が必要になると、撤去や下地の補修の手間が増えるため、早めの手入れが結果的に費用を抑えることにつながります。

外壁塗装とあわせて行えば、足場や工程をまとめられます。屋上の防水の費用の考え方は屋上防水の費用はどう決まる?で解説しています。

当社の現地調査では、劣化診断士が床の表面だけでなく、排水口のまわりや壁との取り合い、手すりの根元なども確認し、撮影した写真を見ていただきながら、塗り替えで済むのか、補修が必要なのかをご説明します。

当社の調査で確かめること

ベランダの床の調査では、見た目の色あせやひび割れだけでなく、床を軽くたたいたり押したりして、防水層の浮きや下地の傷みがないかを確かめます。排水口のまわりや、壁との取り合い(立ち上がり)、手すりの根元、室外機の下など、水がたまりやすい部分は特に重点的に確認します。調査の結果は写真でお見せし、トップコートの塗り替えで済むのか、防水層の補修が必要なのかを、メリット・デメリットとあわせてご説明します。

長持ちさせる日ごろのお手入れ

  • 排水口の落ち葉や土を、こまめに取り除く
  • 植木鉢や物干し台は引きずらず、持ち上げて動かす
  • 植木鉢の下には受け皿や台を置き、水がたまったままにしない
  • 台風や大雨のあとは、ひび割れや剥がれがないか確認する
  • 色あせや細かなひび割れに気づいたら、写真を撮って記録しておく

ベランダ床塗装を業者に頼む流れ

  1. 調査:防水層のひび割れ・浮き・膨れ、排水の状態、雨漏りの有無を確認する
  2. 清掃・下地調整:汚れを落とし、傷んだ旧防水層や浮いた部分を撤去・補修する
  3. プライマーの塗布:下地と防水層・トップコートを密着させる
  4. 防水層の補修・施工:必要な場合は、防水層を部分的に補修するか、つくり直す
  5. トップコートの塗布:紫外線や摩耗から防水層を守る仕上げを、職人が均一な厚みになるよう塗る
  6. 完了確認:仕上がりと、排水口まわり・排水の状態を確認する

ウレタン防水の場合、国の「公共建築工事標準仕様書」では、通気緩衝シートを用いる絶縁工法を「X-1」、下地に直接塗る密着工法を「X-2」として工程が定められています(国土交通省「公共建築工事標準仕様書」)。見積書には、防水の種類と工法、使う材料の製品名、工程が書かれているかを確認しましょう。

「ベランダの防水が切れていて危ない」などと突然訪問し、その場で契約をせまる業者には注意しましょう(国民生活センター)。業者の選び方は防水工事の種類と選び方で解説しています。

ベランダ・バルコニー防水の施工事例

戸建て住宅のFRPバルコニー防水では、接触検査で旧防水層の浮きが見つかったため、劣化した部分を撤去し、FRPの防水層から形成し直しました。表面だけを塗り直していれば、浮いた防水層の下に水が回り、雨漏りにつながっていたおそれがあります。見た目だけで判断せず、防水層の状態まで確かめてから工事の内容を決めることが大切です。

バルコニーのFRP防水工事で、ガラスマットに樹脂を塗り込んでいる様子
FRP防水の施工中:ガラスマットを敷き、樹脂を塗り込んで防水層をつくる

FRP防水は、ガラスマットを敷いて樹脂を塗り、気泡を抜きながら硬化させて防水層をつくります。表面を研磨して整えたあと、紫外線から防水層を守るトップコートを塗って仕上げます。当社では、この事例のように、防水のトップコートは約6〜8年の周期での塗り替えをおすすめしています。

戸建て住宅のベランダのウレタン防水では、建物の状態を考慮して、通気緩衝工法(X-1)で施工しました。ほかの事例は施工事例でご覧いただけます。

ベランダ床塗装のよくある質問

Q. 床の塗装が剥がれてきました。どうすればいいですか?

表面のトップコートだけが剥がれている場合は、塗り替えで対応できることが多いです。ただし、剥がれの下の防水層まで傷んでいる場合は、補修が必要です。剥がれた部分の写真を撮って、業者に相談しましょう。

Q. エアコンの室外機はどうすればいいですか?

室外機の下も防水層があるため、工事の際は室外機を持ち上げたり、一時的に移動したりして施工します。配管の状態によっては移動が難しいこともあるため、現地調査の際に確認します。

Q. 床の色は変えられますか?

トップコートには、グレー系など色(カラー)を選べる専用の製品もあります。明るい色は汚れが目立ちやすく、濃い色は熱を持ちやすいなど、それぞれ特徴があるため、見本を見ながら決めましょう。

Q. 工事の期間中、ベランダは使えますか?

塗装や防水の工事中から、塗料が乾くまでの間は、ベランダに出たり洗濯物を干したりすることはできません。期間は工事の内容や天候で変わるため、事前に日程をお伝えします。雨の日や湿度の高い日は施工できないため、梅雨の時期は日程に余裕を持って計画しましょう。

Q. マンションのベランダも、自分で塗装してよいですか?

マンションのベランダ・バルコニーは、管理規約で共用部分とされていることが多く、住んでいる方が自由に塗装や防水工事をできない場合があります。工事を考えている場合は、まず管理組合や管理会社に確認しましょう。

Q. 雨漏りしている場合も、床の塗装で直りますか?

雨漏りの原因がベランダの防水層にある場合は、防水層の補修やつくり直しが必要で、表面の塗装だけでは直りません。また、雨漏りの原因は、ベランダの排水口や、壁との取り合い、外壁のひび割れなど別の場所にあることもあります。雨漏りの原因の調べ方は雨漏りの原因はどこ?、修理費用の考え方は雨漏り修理の費用はどう決まる?で解説しています。

まとめ|トップコートで防水層を守る

  • ベランダの床塗装の多くは、防水層を守るトップコートの塗り替えのこと
  • 色あせ・細かなひび割れならトップコートの塗り替え、浮き・膨れ・雨漏りは防水層の補修が必要
  • DIYは、防水層に傷みがなく、防水の種類に合ったトップコートを使える場合に限られる
  • 当社では、トップコートは約6〜8年の周期での塗り替えと、定期的なメンテナンスをおすすめ
  • 費用は面積や工事の範囲で変わるため、現地調査のうえでお見積り(要相談)

株式会社佐藤塗装は、熊本市北区に本社を置き、2023年3月には熊本市南区城南町にも営業所を開設した塗装会社です。足場の設置から塗装・防水まで自社で一貫して対応し、工事の写真をまとめた報告書をお渡しします。ベランダの床の色あせやひび割れ、剥がれが気になったら、塗り替えで済むうちに、お気軽にご相談ください。無料の現地調査・お見積りのご相談はこちら