防水工事の種類と特徴|選び方・費用・業者の探し方

防水工事の種類には、アスファルト防水・シート防水・塗膜防水(ウレタン・FRP)などがあります。それぞれの特徴と向いている場所、修繕の目安、費用、業者の選び方を、熊本の塗装会社が解説します。

この記事は、熊本で外壁・屋根の塗装と防水工事を行う株式会社佐藤塗装(雨漏り鑑定士在籍)がまとめています。屋上やベランダの防水の傷み、雨漏りが気になっている方は、業者を選ぶ前の判断材料にしてください。

防水工事の種類と特徴

防水工事の種類は、材料と施工の方法によって、大きく「アスファルト防水」「改質アスファルトシート防水」「合成高分子系シート防水」「塗膜防水」の4つに分けられます(日新工業「防水工法の種類と特長」)。

種類メリットデメリット・注意点主な使われ方
アスファルト防水防水性能と実績にもっとも優れる熱工法は施工時に臭いや煙が出る。常温工法はやや高価新築(熱工法)、新築・改修(常温工法)
改質アスファルトシート防水施工性がよく、寒冷地にも対応。実績がある工法によって、火気の使用や価格、騒音などに違いがあるトーチ工法と常温粘着工法がほとんど
合成高分子系シート防水合成ゴムなどを主成分とするシートを、接着剤やビスで張る機械固定工法は、台風時などに飛散のリスクが高い傾向(耐風圧性に劣る)改修工事では機械固定工法が多い
塗膜防水液状の防水材を刷毛やゴムベラで塗る。ウレタン系・アスファルト系・クロロプレン系・FRP系がある職人の手で塗るため、厚みを均一にする技術が必要ウレタン塗膜防水がほとんどのシェア

国の「公共建築改修工事標準仕様書」でも、既存の防水を保護アスファルト防水、露出アスファルト・改質アスファルト防水、合成高分子系ルーフィングシート防水、ウレタンゴム系塗膜防水に分けたうえで、それぞれの改修工法が定められています(国土交通省「公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)」)。

工法ごとの施工方法の違い

  • アスファルト防水:溶かしたアスファルトとルーフィングを何層も重ねる「熱工法」は、高温のアスファルトを扱うため、施工時に臭いや煙が出ます。火を使わない「常温工法」もあります
  • 改質アスファルトシート防水:シートの裏面をバーナーであぶって溶かしながら張る「トーチ工法」と、裏面の粘着層で張る「常温粘着工法」があります
  • 合成高分子系シート防水:塩化ビニル樹脂系の「塩ビシート」や、加硫ゴム系の「ゴムシート」などがあり、接着剤で張る方法と、機械で固定する方法があります。広い屋上を比較的短い工期で仕上げやすい工法です
  • 塗膜防水:ウレタン防水は、伸縮性のあるゴム状の防水層を塗布してつくるため、設備の多い屋上や複雑な形状の場所にも施工しやすく、FRP防水は硬く強度が高いため、歩行の多いベランダに多く採用されています

どの種類にもメリットとデメリットがあり、用途や建物の状況によって向き不向きがあります。価格だけで比べず、今の防水との相性や下地への密着、工期もあわせて比較しましょう。

住宅でよく使われる防水工事の種類と場所

工法特徴主な場所
ウレタン防水液体の樹脂を塗り重ね、継ぎ目のない防水層をつくる。形が複雑な場所にも対応しやすい屋上、陸屋根、ベランダ
FRP防水ガラス繊維と樹脂で硬く丈夫な防水層をつくる。軽くて強い戸建てのベランダ・バルコニー
シート防水塩ビやゴムのシートを張る。広い面を均一に仕上げやすい屋上、陸屋根
アスファルト防水アスファルトを含むシートを重ねる。耐久性が高いビルやマンションの屋上

ウレタン防水のうち、下地の水分を逃がす通気緩衝工法については通気緩衝工法とは?、ベランダに多いFRP防水についてはFRP防水とは?で詳しく解説しています。どの工法が最適かは、既存の防水の種類、下地の状態、面積、建物の使い方で判断します。

改修工事では、既存の防水層の種類によって、上から重ねられる工法と、撤去してからやり直す工法があります。既存の防水が何かわからない場合は、新築時の図面や、以前の工事の見積書・保証書があると判断の助けになります。

どの工法でも、防水層の表面を守るトップコートは、紫外線や雨風で少しずつ劣化します。表面のひび割れや色あせが目立ってきたら、防水層まで傷む前にトップコートを塗り替えると、防水層を長持ちさせやすくなります。

防水工事の耐用年数と修繕の目安

防水層は、紫外線や雨風、歩行などで少しずつ傷みます。国土交通省の「長期修繕計画作成ガイドライン」では、マンションの修繕周期の例として、防水について次のように示されています(国土交通省「長期修繕計画作成ガイドライン」(令和6年6月改定))。

部位修繕周期の例工事の内容
屋上防水(保護・露出)12〜15年補修・修繕
屋上防水(保護・露出)24〜30年撤去・新設
バルコニー床防水12〜15年修繕
開放廊下・階段などの床防水12〜15年修繕

これはマンションの長期修繕計画を立てるための目安です。実際の耐用年数は、防水の種類や材料、日当たり、使い方、施工の丁寧さによって変わります。戸建てのベランダや屋上でも、10年を過ぎたら一度点検を受け、表面のひび割れや膨れ、水たまりがないかを確かめましょう。

場所ごとに合う防水工事の種類

防水工事業者の探し方と選び方

防水工事は、専門の防水会社のほか、塗装会社やリフォーム会社も請け負っています。依頼できる会社の種類と熊本での探し方、選ぶときの確認ポイントを紹介します。

依頼できる会社の種類と探し方

会社の種類特徴向いているケース
防水工事の専門会社防水の工法や材料にくわしく、ビル・マンションの屋上や大規模修繕工事も多く手がける屋上の大規模な防水改修、専門的な工法が必要な工事
塗装会社外壁・屋根の塗装とあわせて、ベランダ・屋上の防水工事を行う会社も多い外壁塗装と防水工事を同じ時期に行い、足場や工程をまとめたい
リフォーム会社・工務店住まい全体のリフォームの窓口になり、防水工事は専門の職人に依頼することもある内装や設備など、ほかのリフォームとまとめて相談したい
ハウスメーカー自社で建てた住宅の点検・保証とあわせて対応する新築からの保証期間中、住宅会社の点検で指摘された

どの業者に頼む場合も、実際に施工するのが自社の職人か、ほかの会社に任せるのかを確認しておくと安心です。施工を別の会社に任せる場合は、そのぶん費用に上乗せされることがあります。当社は、足場の設置から塗装・防水まで自社で一貫して対応しています。

熊本で防水工事業者を探す方法

インターネットの会社一覧や紹介サイトは、候補を探すきっかけになりますが、掲載の条件はサイトによって異なります。紹介サイトを利用する場合も、最後は現地調査での説明と見積書の内容で判断しましょう。

業者選びの確認ポイント

現地調査で下地と雨漏りを確認してくれるか

防水工事は、表面を塗り直すだけでなく、下地の状態や、既存の防水層の劣化診断、雨漏りの有無の確認をしてから工法を決めることが大切です。屋上やベランダに上がって、写真を撮りながら説明してくれるかを見ましょう。

工法を選んだ理由を説明してくれるか

「この工法しかできない」ではなく、下地や使い方に合わせて、なぜその工法を選ぶのかを説明してくれる業者を選びましょう。複数の工法を比べて提案してくれると、判断しやすくなります。

施工実績と、自社で施工するか

防水工事の施工事例を、写真つきで見せてもらえるかを確認しましょう。実際に施工する職人が自社の職人かどうかや、職人の技術力も、品質や費用に関わります。防水の技能を証明する資格には、国の技能検定の防水施工職種に合格した「防水施工技能士」があります(厚生労働省「技能検定制度について」)。

建設業の許可を持っているか

建設工事を請け負うには、原則として建設業法にもとづく建設業の許可が必要です。ただし、建築一式工事以外の工事で、1件の請負代金が500万円未満(消費税込み)の「軽微な建設工事」だけを請け負う場合は、許可がなくても営業できます(国土交通省「建設業の許可とは」)。屋上の全面改修など規模の大きな工事を頼むときは、工事に応じた業種の許可を持っているかを確認しておくと安心です。

保証とアフターフォロー

工事後に不具合が出たときの対応や、保証の範囲・期間を、書面で確認しておきましょう。トップコートの塗り替えなど、定期的なメンテナンスの提案があるかもポイントです。

リフォーム工事には、工事の検査と保証がセットになった「リフォーム瑕疵保険」という制度もあります。加入には工事の検査に合格する必要があり、欠陥が見つかった場合は保険金で補修費用がまかなわれます(事業者が倒産した場合は発注者に支払われます)(住まいるダイヤル「住宅瑕疵担保履行法に基づく瑕疵保険の紹介」)。保険を使うには、保険法人に登録した事業者に工事を頼む必要があります。当社での取り扱いは、お問い合わせの際にご確認ください。

なお、新築から10年以内の住宅では、住宅を建てた会社が「雨水の浸入を防止する部分」について瑕疵担保責任を負います(国土交通省「住宅の品質確保の促進等に関する法律の概要」)。築10年以内で雨漏りしている場合は、まず住宅を建てた会社に相談しましょう。

防水工事の費用・見積書と注意点

防水工事の費用が決まる要素

防水工事の費用は、面積、工法、下地の傷み具合、既存の防水の撤去の有無、足場の要否などで大きく変わるため、当社では現地調査のうえで個別にお見積りしています(要相談)。

外壁や屋根の塗装とあわせて行えば、足場や工程をまとめられます。雨漏りの修理を含む場合の費用の考え方は雨漏り修理の費用はどう決まる?で解説しています。

見積書で確認したいポイント

  • 防水工事を行う面積(㎡)と、立ち上がり・端部の長さ、壁との取り合いのシーリング
  • 工法の名前と、使う材料の商品名
  • 下地処理(清掃・補修・既存防水の撤去)の内容
  • ウレタン防水なら塗る回数や厚み、FRP防水なら積層の回数
  • ドレン(排水口)まわりの処理や、脱気筒などの部材
  • 保証の期間と内容

「防水工事一式」のように、内容がまとめて書かれている見積書では、ほかの業者と比べることができません。項目ごとに、数量と内容が書かれているかを確認しましょう。

全国防水工事業協会は、法定福利費の確保などを目的に「防水工事の標準見積書」を公開しています。見積書の内容がわかりにくいときは、住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住まいるダイヤル」で、リフォームの見積書に関する相談もできます。

防水工事の費用を抑える方法

  • 外壁や屋根の塗装工事とあわせて行い、足場や工程をまとめる
  • 防水層が傷む前に、トップコートの塗り替えなど早めの手入れをする
  • 複数の業者の見積もりを、同じ条件(面積・工法・材料)で比べる
  • 自治体の補助制度が使えるか、着工前に確認する(熊本の制度の探し方は外壁塗装の助成金(熊本)

補助制度の対象になる工事や条件は、自治体や年度によって異なります。対象になるかは、お住まいの自治体の窓口で確認しましょう。

施工トラブルと注意したい業者

よくある施工不良と防ぐための確認

起きやすいトラブル主な原因防ぐための確認
防水層の膨れ下地に残った水分や湿気が、防水層の下で気化する(膨れの原因下地の含水の確認、通気緩衝工法など下地に合った工法の選択
端部や立ち上がりからの雨漏り防水層の端の処理や、立ち上がりの納まりが不十分端部・立ち上がりの処理方法を、見積書と説明で確認
排水口まわりの漏水ドレン(排水口)まわりの処理不足、ごみのつまり改修用ドレンの使用や、ドレンまわりの処理内容の確認
早い時期のひび割れ・はがれ塗膜の厚み不足、既存の防水層と相性の悪い材料の重ね塗り塗る回数・厚み、既存防水の種類に合った材料かを確認

こうしたトラブルの多くは、工事の前の調査と、工程ごとの確認で防げます。工事中や完了時の写真を残して見せてくれるかも、業者を選ぶときのポイントです。

注意したい防水工事業者の特徴

  • 突然訪問してきて「屋上が傷んでいる」「このままでは雨漏りする」と不安をあおる
  • その日のうちの契約を急がせる、大幅な値引きを持ちかける
  • 下地や雨漏りの状態を確認せずに見積もりを出す
  • 見積書が「一式」ばかりで、工法や材料が書かれていない
  • 保証の内容があいまいで、書面を出さない

点検をきっかけにした屋根工事などの訪問販売のトラブルについては、国民生活センターも注意を呼びかけています。その場で契約せず、複数の業者の見積もりを比べてから決めましょう。

防水工事の依頼から完了までの流れ

  1. お問い合わせ・ご相談
  2. 現地調査:屋上・ベランダの防水層、下地、排水、雨漏りの状態を確認
  3. お見積り・工法のご提案
  4. ご契約・工事日程の調整
  5. 施工:清掃・下地処理 → 防水層の施工 → トップコート
  6. 完了確認:端部・ドレンまわり・排水の状態を確認し、お引き渡し

熊本の気候と防水工事の時期

防水層は、雨の日や下地が濡れているときには施工できません。熊本市にある気象庁の観測点の平年値(1991〜2020年)では、6月の降水量は448.5mm、7月は386.8mmと、この2か月で年間(2,007.0mm)のおよそ4割が降ります(気象庁「平年値(熊本)」)。

梅雨から台風の時期は、雨で工程が延びやすいため、日程に余裕をもって計画しましょう。雨漏りしている場合は時期を待たずに調査を実施し、応急の処置と本工事の時期を分けて考えることもできます。熊本の梅雨の時期については熊本の梅雨入りで紹介しています。

当社の防水工事の施工事例

  • 熊本市北区のアパート屋上:既存のシート防水を撤去し、通気緩衝シートとウレタン防水(2層)で防水層を作り直し(施工事例
  • 熊本市北区山室の賃貸アパート:外壁・屋根の塗装とあわせて、屋上の全面に防水層を形成(施工事例
  • 戸建て住宅のバルコニー:旧防水層の浮きがあった部分を撤去し、FRP防水層を形成(施工事例
  • 熊本市のマンション:躯体の打診検査から、外壁・タイル・屋上防水のトップコート・長尺シートまでのフルメンテナンス(施工事例
  • 熊本市の動物病院:外壁から屋上防水のトップコートまで、外装のフルメンテナンス(施工事例

建物と場所ごとに、工法を選んだ理由をまとめると次のとおりです。

建物・場所選んだ工法選んだ理由
アパートの屋上(既存はシート防水)通気緩衝シート+ウレタン防水広い屋上で下地に水分が残りやすく、防水層の膨れを防ぐため、下地の湿気を逃がす工法に
戸建て住宅のバルコニーFRP防水人が歩く狭い場所で、硬く丈夫な防水層が向くため。旧防水層の浮きがある部分は撤去してから施工
マンション・動物病院の屋上トップコートの塗り替え防水層そのものの傷みが少なく、表面の保護で防水層を長持ちさせられるため

よくある質問|防水工事の種類と選び方

Q. ベランダの防水工事は、どの種類がよいですか?

戸建てのベランダ・バルコニーはFRP防水が多く、ウレタン防水も使われます。今ある防水の種類と下地の状態によって、重ねて施工できる工法が変わるため、現地で確認してご提案します(FRP防水のバルコニー)。

Q. 防水工事はDIYでできますか?

トップコートの塗り替えなどを自分で行う方もいますが、防水層そのものの施工は、材料の扱いや厚みの管理が難しく、失敗すると雨漏りにつながります。防水層の工事は、専門の業者に依頼しましょう。

Q. 防水工事だけでも依頼できますか?

はい。ベランダや屋上の防水工事だけのご相談も承っています。外壁塗装の時期が近い場合は、あわせて行う方法もご提案します。

Q. 雨漏りしてからでも間に合いますか?

雨漏りしている場合は、まず原因を調べ、防水層の補修で済むか、作り直しが必要かを判断します。雨漏りの原因の見分け方は雨漏りの原因はどこ?、熊本での雨漏り修理の流れは熊本の雨漏り修理で紹介しています。

Q. アパートや店舗の屋上の防水も相談できますか?

当社には、アパートの屋上や、マンション・動物病院の外装とあわせた防水工事の施工事例があります。建物の規模や既存の防水の種類によって工法や工程が変わるため、まずはお問い合わせのうえ、屋上の状態をお知らせください。

Q. 見積もりや点検は無料ですか?

当社では、現地調査・お見積りを無料で行っています。防水層の状態を写真でご説明し、工法と費用の考え方をお伝えします。

まとめ|防水工事は種類と場所で選ぶ

  • 防水工事の種類は、アスファルト防水・改質アスファルトシート防水・合成高分子系シート防水・塗膜防水(ウレタン・FRPなど)
  • 修繕の目安は12〜15年ごと(国交省の長期修繕計画作成ガイドラインの例)。場所と今の防水に合わせて工法を選ぶ
  • 防水工事は、専門会社・塗装会社・リフォーム会社などが請け負っている
  • 施工事例や業界団体の会員検索で候補を探し、複数の業者の調査と見積もりを比べる
  • 下地と雨漏りを調査し、工法を選んだ理由を説明してくれる業者を選ぶ
  • 見積書は、面積・工法・材料・下地処理・保証が項目ごとに書かれているかを確認
  • 建設業の許可や保証、リフォーム瑕疵保険の取り扱いも確認する
  • 訪問販売で契約を急がせる業者には注意する

熊本で屋上やベランダの防水工事を検討している方は、株式会社佐藤塗装にご相談ください。担当者が現地の状態を確認し、工法と費用をご説明します。これまでの工事は施工事例でご覧いただけます。お電話やお問い合わせフォームから、お気軽にお問い合わせください。

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