無機塗料の単価と費用は?外壁塗装のメリット・デメリットと特徴を解説

無機塗料は、ガラスや石のように紫外線で劣化しにくい無機物を配合した、耐久性の高い外壁用の塗料です。単価はシリコンより高くなりますが、塗り替えの回数を減らせます。特徴とメリット・デメリット、単価と費用の考え方、フッ素・シリコンとの比較を、熊本の塗装会社が解説します。

この記事は、熊本で外壁・屋根の塗装を行う株式会社佐藤塗装がまとめています。「次の塗り替えまでの期間をできるだけ長くしたい」と考えている方の参考にしてください。

無機塗料とは?特徴としくみ

塗料の塗膜は、主に「樹脂」でできています。一般的な塗料の樹脂は、炭素を含む有機物で、紫外線を浴びると少しずつ分解されて劣化します。これに対して、ガラスや石、セラミックのような無機物は、紫外線でほとんど劣化しません。

無機塗料は、この無機物を配合して、塗膜を紫外線に強くした塗料です。ただし、無機物だけでは硬すぎて塗膜にならないため、実際には有機の樹脂と組み合わせてつくられています。無機物の配合の割合や組み合わせる樹脂は、製品によって異なります。

無機塗料の種類と代表的な製品

「無機塗料」と呼ばれる塗料には、無機物の配合の仕方や、組み合わせる樹脂によっていくつかのタイプがあります。

タイプ特徴
無機配合型フッ素耐久性の高いフッ素樹脂に無機成分を配合したタイプ。無機塗料の中でも耐久性を重視した製品が多い
無機ハイブリッド(シリコン系など)シリコン樹脂などに無機成分を組み合わせたタイプ。価格と耐久性のバランスを取った製品もある
屋根用の無機塗料紫外線や熱を強く受ける屋根向けにつくられたタイプ。遮熱性をもつ製品もある

当社がよく使うアステックペイントの「超低汚染リファイン1000MF-IR」は無機配合型フッ素の塗料で、メーカーの製品情報で期待耐用年数は20〜24年と表記されています(アステックペイント「超低汚染リファイン1000MF-IR」)。同じ「無機」でも性能は製品ごとに違うため、名前ではなく、メーカーの製品情報で期待耐用年数や低汚染性、遮熱性の有無を比べましょう。

無機塗料のメリットと効果

  • 紫外線に強く、色あせやチョーキングが起きにくい
  • 耐久性が高く、次の塗り替えまでの期間を長く取りやすい
  • 塗り替えの回数が減るぶん、長い目で見た足場代などの費用を抑えやすい
  • 汚れが付きにくい低汚染性を持つ製品が多い
  • 燃えにくい性質を持つ製品もある

汚れにくさ(親水性)と美観

無機成分を配合した塗料の中には、塗膜の表面が水となじみやすい「親水性」をもち、雨水が汚れの下に入り込んで洗い流しやすくする製品があります。汚れの付着を抑え、外壁の美観を長く保ちやすいのが特長です。カビや藻の付着を抑える防カビ・防藻性をもつ製品もあるため、製品情報で確かめましょう。

紫外線に強く色あせしにくい

無機物は紫外線でほとんど劣化しないため、塗膜の耐候性が高く、色あせやチョーキングが起きにくくなります。日差しの強い南面や西面が、ほかの面より早く傷む家にも向いています。

無機塗料のデメリット

  • 単価が高く、1回の塗装の費用はシリコン塗料などより大きくなる
  • 塗膜が硬いため、ひび割れが起きやすい外壁では、下地の状態や製品の選び方に注意が必要
  • 製品によって「無機」の配合や性能の差が大きい
  • 施工の管理が難しい製品もあり、施工する業者の経験が仕上がりを左右する

塗膜が硬く、弾性が少ない製品が多い

無機塗料は塗膜が硬いぶん、建物の動きでできる細かなひび割れに追従しにくい製品が多くあります。ひび割れが起きやすいモルタルの外壁では、弾性のある下塗り材(微弾性フィラーなど)で下地を整えてから塗るなど、下地に合った仕様を選ぶことが大切です。

とくにモルタル外壁など、ひび割れが起きやすい外壁では、下地の補修と下塗り材の選び方が大切です。外壁のひび割れについては外壁のひび割れ補修で解説しています。

無機塗料の単価と費用の考え方

塗料の単価は、同じ「無機塗料」でも製品や、塗る面積、下地の状態、塗る回数によって変わります。当社では、1㎡あたりの単価は掲載しておらず、現地調査のうえで個別にお見積りしています(要相談)。

当社の料金ページでは、外壁・屋根のプランごとの目安を掲載しています(いずれも税込・目安。足場代は別途)。

工事プラン30坪40坪
外壁塗装(雨樋・破風・軒天込み)ウレタン52万円〜60万円〜
ラジカルシリコン58万円〜68万円〜
無機・フッ素82万円〜92万円〜
屋根塗装シリコン17万円〜22万円〜
フッ素21万円〜28万円〜
無機・フッ素27万円〜34万円〜

1回の工事の費用は無機・フッ素のプランがもっとも高くなりますが、塗り替えの回数が減れば、そのたびにかかる足場代や工事費も少なくなります。今後その家に何年住むのか、次の塗り替えを何年後にしたいのかをあわせて考えることが大切です。

平米単価だけで比べないほうがよい理由

無機塗料の費用を「1㎡あたりいくら」という平米単価だけで比べると、判断を誤ることがあります。見積もりの金額は、塗る面積、下地の補修の量、下塗り材の種類、塗る回数、付帯部の範囲、足場代によって大きく変わるためです。

  • 塗料の製品名(上塗り・下塗り)と塗る回数が書かれているか
  • 塗る面積(㎡)が、坪数だけでなく実際の面積で書かれているか
  • ひび割れやシーリングなど、下地の補修が含まれているか
  • 付帯部(雨樋・破風・軒天など)の範囲と塗料
  • 足場代・高圧洗浄・養生などが別になっていないか

極端に安い見積もりは、塗る量や回数が少なくなっていないかを確認しましょう。見積書の見方は熊本の外壁塗装の費用でも解説しています。

無機・フッ素・シリコンの比較

塗料の種類耐用年数の一般的な目安特徴
シリコン10〜15年程度価格と耐久性のバランスがよく、戸建ての塗り替えで広く使われる
フッ素15〜20年程度耐久性が高く、塗り替えの回数を減らしたいときに選ばれる
無機20年程度〜紫外線に強く、もっとも長持ちしやすい部類

実際の耐用年数は、製品ごとにメーカーが公表している数字で確認します。たとえば、アステックペイントの「超低汚染リファイン1000MF-IR」は無機配合型フッ素の塗料で、メーカーの製品情報で期待耐用年数が20〜24年と表記されています(アステックペイント「超低汚染リファイン1000MF-IR」)。この塗料については超低汚染リファインとは?でも紹介しています。塗料ごとの耐用年数の考え方は外壁塗装は何年ごと?もご覧ください。

無機塗料の施工で気をつけたいこと

下地の補修と下塗り材の選び方

無機塗料は塗膜が硬いため、ひび割れが動きやすい外壁では、下地の補修と、外壁に合った下塗り材の選び方が仕上がりを左右します。当社の事例でも、外壁の状態に合わせて、下塗りにエポパワーシーラーやエピテックフィラーAEⅡなどを使い分けています。ひび割れの補修は外壁のひび割れ補修で解説しています。

外壁材ごとの注意点

窯業系サイディングは、目地のコーキング(シーリング)の劣化に注意が必要です。ガルバリウム鋼板などの金属の外壁は、サビを落として錆止めの下塗りをしてから塗装します。ALCの外壁は、水を吸いやすいため、目地のシーリングと防水性を保つ塗装が大切です(ALC外壁の塗装)。

無機塗料で塗り替えるときの流れ

  1. 現地調査で、外壁材の種類とひび割れ・シーリング・旧塗膜の状態を確認する
  2. 高圧洗浄で汚れやチョーキングの粉を洗い流す
  3. ひび割れやシーリングを補修し、外壁に合った下塗り材を塗る
  4. 無機塗料を中塗り・上塗りの2回、規定の量で塗り重ねる
  5. 付帯部を塗装し、完了検査のあと、写真付きの報告書で工程を確認する

保証と点検の考え方

耐久性の高い塗料を選んでも、施工の不具合があれば早く傷みます。工事の保証の対象と期間、定期点検の有無を契約前に確かめましょう(外壁塗装の保証)。塗装後も、年に一度ほど外壁を見回し、シーリングの切れやひび割れがないかを確認すると、塗膜の性能を長く保てます。

シーリングや付帯部の耐久性もそろえる

外壁の塗膜が長持ちしても、目地のシーリングや付帯部が先に傷むと、そこから雨水が入ったり、見た目が古びたりします。塗料の耐久性に合わせて、高耐候のシーリング材や付帯部の塗料を選ぶことも検討しましょう(シーリング打ち替えの費用)。

塗り重ねの間隔と天候を守る

塗料ごとにメーカーが決めた塗り重ねの間隔や、施工できる気温・湿度の条件を守ることが大切です。工程の流れは外壁塗装の工程で紹介しています。

無機塗料のトラブル事例と対策

よくあるトラブル主な原因対策
数年でひび割れが出た硬い塗膜が下地の動きについていけなかった下地の補修と、外壁に合った下塗り材を選ぶ
思ったほど長持ちしない「無機」をうたう製品の性能差、塗る量や回数の不足製品情報で期待耐用年数を確認し、見積書に製品名と塗る回数を書いてもらう
外壁はきれいなのに目地から傷んだシーリングの耐久性が塗料に合っていなかったシーリングも高耐候の材料を選ぶ
見積もりの金額に大きな差がある塗る面積や工程、付帯部の範囲が違う同じ条件で見積もりをそろえて比べる

ツヤの選び方

塗料によっては、艶あり・3分艶・艶消しなど、ツヤの程度を選べる製品があります。ツヤがあるほど汚れが付きにくく、新しい印象になり、ツヤを抑えると落ち着いた質感になります。無機塗料を選ぶときも、希望のツヤが選べるかを確かめましょう。日本ペイントやエスケー化研など、ほかの塗料メーカーも無機系の塗料を出しているため、製品ごとの性能を比べて選ぶことが大切です。

無機塗料が向いている家

  • 今の家に長く住む予定があり、塗り替えの回数を減らしたい
  • 日当たりが強く、色あせやチョーキングが早く出やすい
  • 足場を組むのに費用がかかる、3階建てや立地の条件がある家
  • 賃貸物件などで、長期間の修繕の計画を立てたい

反対に、数年後に建て替えや売却を考えている場合は、無機塗料の耐久性を生かしきれないこともあります。そのような場合は、シリコン塗料などを選ぶほうが合理的です。

アパートやマンションなど、長期の修繕計画を立てて塗り替えの回数を減らしたい建物にも、無機塗料は向いています。アパートの塗装についてはアパートの外壁塗装の費用で紹介しています。

無機塗料を選ぶときの注意点

  • 「無機」とうたっていても、配合や性能は製品ごとに違う。メーカーの製品情報で期待耐用年数や性能を確認する
  • 外壁材や下地の状態に合った製品と下塗り材を選ぶ
  • シーリングや付帯部の耐久性も合わせないと、そこから先に傷む
  • 保証の内容(期間・対象)を書面で確認する

外壁が長持ちしても、つなぎ目のシーリングが先に傷むと、そこから雨水が入ります。塗料の耐用年数に合わせて、高耐候のシーリング材を選ぶことも検討しましょう。保証の確認のポイントは外壁塗装の保証とは?で解説しています。

無機塗料に関するよくある質問

Q. 無機塗料は屋根にも使えますか?

屋根用の無機塗料もあります。屋根は外壁より紫外線の影響を強く受けるため、耐久性の高い塗料を選ぶ意味は大きい場所です。当社の屋根塗装にも、無機・フッ素のプランを用意しています。

Q. 無機塗料なら、20年以上メンテナンスはいりませんか?

塗膜の耐久性が高くても、シーリングや付帯部の劣化、ひび割れ、汚れなどは起こります。数年ごとに点検し、必要に応じて補修することで、塗膜の性能を長く保てます。

Q. 塗料は選べますか?

はい。建物の状態やご予算、今後の住まい方をお聞きしたうえで、複数の塗料をご提案します。当社で扱う塗料は塗料(アステックペイント)で紹介しています。

Q. 無機塗料とフッ素塗料は、どちらを選べばいいですか?

「無機」「フッ素」という名前だけでは決められません。無機配合型フッ素のように両方の特徴をもつ製品もあります。期待耐用年数と価格、低汚染性や遮熱性などを製品情報で比べ、今後その家に住む年数と合わせて選びましょう。フッ素塗料についてはフッ素塗料のデメリット、ラジカル制御型の塗料はラジカル塗料とは?で解説しています。

Q. 無機塗料で塗装すると、何年くらいで次の塗り替えになりますか?

製品によって違います。たとえば無機配合型フッ素の超低汚染リファイン1000MF-IRは、メーカーの製品情報で期待耐用年数20〜24年と表記されています。ただし、日当たりや雨の当たり方、下地の状態、施工の丁寧さで変わるため、点検で状態を確かめながら時期を決めましょう。塗り替えの時期の考え方は外壁塗装は何年ごと?で解説しています。

まとめ|無機塗料が合うのは長く住む家

  • 無機塗料は、紫外線に強い無機物を配合した耐久性の高い塗料
  • メリットは長持ち・色あせしにくい・塗り替え回数が減ること
  • デメリットは単価の高さと、製品による性能の差
  • 1回の費用だけでなく、今後何年住むかで比べる
  • 製品の期待耐用年数、下地との相性、シーリングや保証もあわせて確認する

熊本で無機塗料を使った外壁塗装を検討している方は、株式会社佐藤塗装にご相談ください。これまでの工事は施工事例でご覧いただけます。

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