ラジカル塗料とは?メリット・デメリットと耐用年数

ラジカル塗料は、塗膜を傷める「ラジカル」の発生を抑える工夫をした外壁用の塗料です。しくみとメリット・デメリット、シリコン塗料との違い、期待耐用年数と費用、選び方を、熊本の塗装会社が解説します。

この記事は、熊本で外壁・屋根の塗装を行う株式会社佐藤塗装がまとめています。当社はアステックペイントの加盟店で、外壁の塗り替えにはラジカル制御型の塗料をよく使っています。

ラジカル塗料とは?劣化を抑えるしくみ

外壁の塗料は、樹脂・顔料・添加剤などでできています。白い色のもとになる顔料(酸化チタン)などに紫外線が当たると、塗膜の樹脂を傷める「ラジカル」が発生し、塗膜の劣化が進む原因の一つになります。手でさわると白い粉がつくチョーキングも、塗膜の劣化のサインです(チョーキング現象とは?)。

ラジカル塗料(ラジカル制御形・ラジカル制御型の塗料)は、このラジカルの発生を抑えたり、発生したラジカルを捕まえたりする工夫をした塗料です。樹脂はシリコン系の製品が多く、「ラジカルシリコン」と呼ばれることもあります。

メーカーのラジカル制御の技術

製品(メーカー)ラジカル制御のしくみ種類
パーフェクトトップSi(日本ペイント)ラジカル制御技術と、塗膜のすき間を埋めて緻密な塗膜をつくるポリマーハイブリッド効果1液水性・シリコン系ハイブリッド
ファインパーフェクトトップSi(日本ペイント)高耐候酸化チタンと光安定剤による「W効果」で耐候性を高める1液弱溶剤系・シリコングレード
スーパーラジカルシリコンGH(アステックペイント)従来の酸化チタンに代えて、ラジカルが発生しにくい「ラジカル制御型白色顔料」を使い、発生したラジカルもシールド層で封じ込める。さらにラジカルを捕まえるHALS(光安定剤)を配合水性・一液型・二重構造アクリルシリコン樹脂

日本ペイントは、パーフェクトシリーズを「ラジカル制御形塗料のパイオニア」と位置づけ、シリーズ累計で戸建て70万棟分を突破した実績があるとしています(日本ペイント「パーフェクトシリーズ」)。

いずれも、顔料と光安定剤の組み合わせでラジカルの発生を抑制する考え方です。アステックペイントの外壁用の水性シリコン塗料「シリコンREVO1000」も、ラジカル制御型の白色顔料を使い、シリコン成分(シロキサン結合)を従来の塗料の約3倍含む製品です(アステックペイント「シリコンREVO1000」製品情報)。

ラジカル塗料のメリット

  • 紫外線による劣化を抑え、チョーキングが起こりにくい
  • 価格と耐久性のバランスがよい(当社の外壁塗装の料金は、30坪でウレタン52万円〜、ラジカルシリコン58万円〜、無機・フッ素82万円〜。料金ページ
  • 水性・一液型の製品もあり、塗装中のにおいが少ない
  • 汚れが付きにくい低汚染性や、防カビ・防藻性をもつ製品もある
  • 色(カラー)の種類が多い(スーパーラジカルシリコンGHは艶有68色・3分艶67色・艶消65色)
  • つやの種類を選べる製品が多く、仕上がりの印象を調整できる(パーフェクトトップSiは、つや有り・7分・5分・3分・つや消しの5種類)
  • 窯業系サイディング、モルタル、ALC、コンクリートなど、幅広い外壁材に使える製品が多い

低汚染と防カビ・防藻の性能

スーパーラジカルシリコンGHは、二重構造のアクリルシリコン樹脂を使い、汚れが付きにくい低汚染性と、防カビ・防藻性をもつ製品です。ファインパーフェクトトップSiも防藻・防かびの機能をもち、親水化技術によって雨だれの汚れにすぐれた効果を発揮するとされています。汚れの付着を抑制できる塗料は、外壁の美観を長く維持しやすくなります。また、ファインパーフェクトトップSiは、JIS A 6909 耐候形1種相当の性能水準に適合しています。

戸建ての外壁塗装では、価格と耐久性のバランスから、シリコン・ラジカル制御型のランクが多く選ばれています。塗料のランク全体の比べ方は外壁・屋根塗装の塗料ランクで紹介しています。

ラジカル塗料のデメリットと注意点

  • ラジカル制御は顔料や光安定剤による工夫で、フッ素や無機の塗料ほどの期待耐用年数ではない
  • 製品によって性能が違う(遮熱性はない製品もあり、スーパーラジカルシリコンGHも遮熱性は「なし」)
  • メーカーが下塗り材を指定している場合が多く、下地に合った下塗りと組み合わせる必要がある
  • 「ラジカル」と名前がついていても、期待耐用年数や低汚染性などの性能は製品情報で確かめる必要がある

夏の暑さ対策も考えたい場合は、遮熱性をもつ製品を選ぶか、屋根に遮熱塗料を使う方法があります(遮熱塗料の効果)。水性の塗料は、気温が低い日や湿度が高い日には塗装を控えるなど、施工の条件も守る必要があります。

シリコン・フッ素塗料との違い

アステックペイントの製品情報で、期待耐用年数を比べると次のとおりです。期待耐用年数は、メーカーの試験などにもとづく目安で、建物の環境や下地の状態によって変わります。

製品種類期待耐用年数(メーカー表記)
スーパーラジカルシリコンGHラジカル制御型・水性アクリルシリコン12〜14年
シリコンREVO1000ラジカル制御型白色顔料を使った水性シリコン13〜16年
超低汚染リファイン1000Si-IRシリコン(低汚染・遮熱)15〜18年
超低汚染リファイン1000MF-IR無機配合型フッ素20〜24年

一般的なシリコン塗料との違いは、ラジカルを抑える顔料や光安定剤を使っているかどうかです。現在は、ラジカル制御型のシリコン塗料も多く販売されています。フッ素・無機の塗料は期待耐用年数が長い一方で価格も上がるため、次の塗り替えまでの年数と費用で比べましょう。フッ素塗料はフッ素塗料のデメリット、無機塗料は無機塗料の単価と費用、低汚染の塗料は超低汚染リファインとは?で解説しています。

ラジカル塗料の耐用年数と費用

ラジカル塗料の期待耐用年数は、上の表のとおり製品によって違い、アステックペイントの製品では12〜16年と表記されています。当社の外壁塗装のラジカルシリコンプランは、30坪で58万円〜、40坪で68万円〜です(税込・雨樋・破風・軒天込み、足場代は別途)。実際の費用は、建物の大きさや劣化の状態、付帯部の範囲で変わるため、現地調査のうえでお見積りします。費用の内訳は熊本の外壁塗装の費用で紹介しています。

塗装できる天候の条件

塗料の多くは、施工できる気温や湿度の条件が決められています。一般に、気温が5℃未満の日や、湿度が85%以上の日は塗装を避けるよう指定されている塗料が多く、雨の日や、雨が降りそうな日も塗装しません。熊本では梅雨の時期や冬の朝晩に注意が必要です(熊本の梅雨入り)。

1年あたりの費用で比べる

塗料を比べるときは、工事の金額だけでなく、期待耐用年数で割った「1年あたりの費用」でも考えると、長く住む家に合った塗料を選びやすくなります。たとえば、次の塗り替えまで長く間をあけたい場合はフッ素・無機、10年あまりで塗り替える予定なら、ラジカル制御型のシリコン塗料が合うこともあります。

ラジカル塗料の選び方

  • メーカーの製品情報で、期待耐用年数・低汚染性・防カビ防藻性・遮熱性の有無を確かめる
  • 自宅の外壁材(サイディング・モルタル・ALCなど)に使える製品かを確かめる
  • 水性か弱溶剤か:水性はにおいが少なく、弱溶剤は下地への密着性などを重視する場面で使われる
  • 見積書に、上塗り・下塗りの製品名と塗る回数が書かれているか確かめる
  • その塗料を使った施工事例があるか、業者に聞いてみる
  • 工事後の保証の内容や、定期点検などのメンテナンスの体制を確かめる

費用の相場は建物によって変わるため、同じ塗料・同じ範囲で複数の見積もりを取り、価格と期待耐用年数のバランス(コストパフォーマンス)で比較しましょう。塗料の性能は、塗布量や乾燥時間を守る職人の施工によっても左右されます。

外壁材ごとに使える製品か確かめる

製品使える下地(メーカー表記)
ファインパーフェクトトップSiモルタル、コンクリート、押出成形セメント板、サイディングボード、スレート、ALC、硬質塩ビ、鉄、FRP(下塗り材によって、鉄部、ステンレス、亜鉛めっき、アルミ、木部にも)
パーフェクトトップSiモルタル、コンクリート、押出成形セメント板、サイディングボード、PC板、スレート、ALC、鉄、アルミ
スーパーラジカルシリコンGH窯業系サイディング、モルタル、ALC、コンクリート、波形スレート

鉄やアルミなど、金属の素材に使える製品もありますが、素材に合った下塗り材との組み合わせが前提です。

ALCの外壁の塗り替えはALC外壁の塗装で解説しています。

水性と溶剤(油性)の違い

水性塗料は、シンナーなどの有機溶剤を主な溶媒にしないため、塗装中や乾燥中に空気中へ出る揮発性有機化合物(VOC)が少なく、においも抑えられます。弱溶剤の塗料は、においは水性よりありますが、製品によっては塗れる下地の種類が多いなどの特長があります。ファインパーフェクトトップSiは1液弱溶剤系、スーパーラジカルシリコンGHは水性の製品です。

ラジカル塗料で塗り替える工程

  1. 高圧洗浄で、外壁の汚れや古い塗膜の粉を落とす
  2. ひび割れやシーリングなど、下地の傷みを補修する
  3. メーカーが指定する下塗り材を塗る(当社の宇土市・熊本市北区の事例では、ホワイトフィラーAⅡを使用)
  4. 上塗り材を2回塗り重ねて仕上げる(中塗り・上塗り)

下地の補修や塗り重ねの工程が不十分だと、塗料の性能が発揮されず、早く剥がれてしまいます。工程の全体は外壁塗装の工程、ひび割れの補修は外壁のひび割れ補修、洗浄は外壁の高圧洗浄で紹介しています。

当社のラジカル塗料の施工事例

地域・建物外壁の塗料そのほか
宇土市の住宅上塗り:アステックペイント スーパーラジカルシリコン(KP-376)/下塗り:ホワイトフィラーAⅡ屋根:シャネツテックSi-JY(トゥルーブラック)
熊本市北区の住宅上塗り:アステックペイント スーパーラジカルシリコン/下塗り:ホワイトフィラーAⅡ
熊本市北区のアパートシリコンREVO1000-IR(遮熱)でバーチグレーとウィザードコッパーのツートン
熊本市南区城南町の戸建て住宅シリコンREVO1000-IR
熊本市北区山室の賃貸アパートシリコンREVO1000-IR(遮熱)・パールグレイ屋根もシリコンREVO1000-IR(遮熱)・スレートグレー

熊本市北区山室の賃貸アパートでは、高圧洗浄でカビ・コケ・チョーキングの汚れを洗い流し、ひび割れ箇所をシーリングで補修したあと、下塗り(シーラー)で旧塗膜との密着を高め、中塗り・上塗りで仕上げました。外壁・屋根ともに、シリコンREVO1000の遮熱タイプである「シリコンREVO1000-IR(遮熱)」を使い、夏の表面温度の上昇を抑えることにも配慮しています。

どの塗料を使うかは、外壁の状態やご予算、次の塗り替えまでの年数のご希望をうかがったうえでご提案します。これまでの工事は施工事例でご覧いただけます。

ラジカル塗料のよくある質問

Q. ラジカル塗料とシリコン塗料は、どちらがよいですか?

ラジカル制御型の多くはシリコン系の塗料で、ラジカルを抑える工夫が加わったものです。ただし、性能は製品ごとに違うため、名前ではなく、期待耐用年数や低汚染性などを製品情報で比べて選びましょう。

Q. 屋根にもラジカル塗料を使えますか?

屋根には、屋根にも使える製品か、屋根用に作られた塗料を使います。当社の宇土市の事例では、外壁はスーパーラジカルシリコン、屋根は遮熱塗料のシャネツテックSi-JYを使いました。一方、熊本市北区山室のアパートでは、外壁・屋根ともにシリコンREVO1000-IR(遮熱)を使っています。屋根塗装の料金や塗料は熊本の屋根塗装で紹介しています。

Q. 期待耐用年数どおりに長持ちしますか?

期待耐用年数は、メーカーの試験などにもとづく目安です。日当たりや雨の当たり方、下地の状態、施工の丁寧さによって変わるため、塗装後も色あせやチョーキング、ひび割れがないかを定期的に確認しましょう。

Q. 見積書に「ラジカル」とだけ書かれている場合は?

ラジカル制御型の塗料は、メーカーや製品によって性能が違います。上塗り・下塗りの製品名と塗る回数を見積書に書いてもらい、メーカーの製品情報で期待耐用年数などを確かめましょう。

Q. 自分でラジカル塗料を塗ることはできますか?

ブロック塀などの小さな面なら、DIYで塗ることもできます。住宅の外壁全体は、足場の設置、高圧洗浄、下地補修、下塗りから上塗りまでの工程が必要なため、塗装業者に依頼するのがおすすめです。

まとめ|ラジカル塗料は製品で選ぶ

  • ラジカル塗料は、塗膜を傷める「ラジカル」を顔料と光安定剤で抑える工夫をした塗料
  • 紫外線に強くチョーキングが起こりにくく、価格と耐久性のバランスがよい
  • 期待耐用年数はアステックペイントの製品で12〜16年。フッ素・無機ほど長くはない
  • 遮熱性や低汚染性の有無は製品ごとに違うため、製品情報で確かめる
  • 当社の外壁塗装のラジカルシリコンプランは、30坪58万円〜(足場代別途)

外壁の塗り替えで塗料選びに迷っている方は、無料の現地調査・お見積りをご利用ください。