外壁の浮きはなぜ起こる?原因と放置のリスク・補修方法

外壁の浮きは、サイディングが反って下地から離れたり、モルタルやタイルが下地からはがれかけたりする症状で、放置すると雨漏りや外壁材の落下につながります。外壁が浮く原因と見分け方、放置するリスク、補修方法と費用の考え方、予防のためのメンテナンスを、熊本の塗装会社が解説します。

この記事は、熊本で外壁・屋根の塗装と雨漏りの調査・修理を行う株式会社佐藤塗装がまとめています。当社には雨漏り鑑定士が在籍しています。

外壁の「浮き」とは?主な種類

種類状態主な外壁材
サイディングの浮き・反り板状の外壁材が反ったり、うねったりして、下地との間にすき間ができる窯業系サイディング
モルタルの浮きモルタルの層が下地から離れ、中が空洞になるモルタル外壁
タイルの浮きタイルや下地のモルタルが躯体から離れるタイル張りの外壁
塗膜の浮き(膨れ)塗膜が外壁材から離れ、ぷくっと膨らむすべての塗装仕上げ

この記事では、主に外壁材そのものの浮き(サイディング・モルタル・タイル)を解説します。塗装した面が膨らむ「塗膜の膨れ」については、外壁塗装が剥がれる原因の記事もあわせてご覧ください。

外壁が浮く原因(サイディング・モルタル)

窯業系サイディングのメーカーであるケイミューは、サイディングは紫外線、雨水、凍結融解、気温の変化などの気象条件や、台風・地震などの自然現象、下地や施工、設備の取り付けや後工事など、さまざまな要因によって、年数を重ねると本体の亀裂・割れ・欠け・反り・うねりなどが現れるとしています(ケイミュー「住宅外まわりのメンテナンスについて」)。主な原因は次のとおりです。

雨水や湿気の吸収と乾燥のくり返し

窯業系サイディングやモルタルは、表面の塗膜が劣化すると水を吸いやすくなります。雨で水を吸って膨らみ、晴れて乾いて縮む、というくり返しで、外壁材が少しずつ変形し、反りや浮きが生じます。

温度変化による膨張と収縮

日射で温められた外壁は膨張し、夜に冷えると収縮します。日当たりのよい南面や西面は、この変化が大きく、反りや浮きが出やすい面です。

シーリングの劣化

サイディングの継ぎ目や窓まわりのシーリングが劣化して、ひび割れやすき間ができると、そこから外壁材の裏側に雨水が入り、浮きや反りの原因になります。シーリングの補修はシーリング打ち替えの費用で解説しています。

固定の不良・施工の問題

サイディングを留める釘や金具の固定が不十分だったり、下地の木材が劣化して釘が効かなくなったりすると、外壁材が浮いてきます。モルタルやタイルの場合は、施工時の接着不良が、年数がたってから浮きとして現れることもあります。

地震や台風

大きな揺れや強風で、外壁材の固定がゆるんだり、下地から離れたりすることがあります。地震のあとは、外壁の浮きやひび割れも確認しておきましょう。

サイディングの浮きが起こりやすい条件

サイディングの浮きは、築年数がたち、表面の塗膜が劣化して水を吸いやすくなった外壁に多く見られます。サイディングの留め方には、釘で留める方法と、金具で留める方法があり、釘で留めた外壁では、釘のまわりから割れや浮きが出ることがあります。

また、日当たりの強い面と日陰の面では、外壁材の温度や乾き方が違うため、同じ家でも浮きの出方が変わります。塗膜の劣化が進んだ面ほど、早めの塗り替えで吸水を防ぐことが、浮きの予防になります。

熊本の気候・地震と外壁の浮き

熊本は夏の日差しが強く、南面や西面の外壁は昼と夜の温度差が大きくなります。梅雨の長雨で外壁材が水を吸い、晴れて乾くというくり返しも起こりやすく、浮きや反りが進みやすい条件がそろっています。台風の強い雨風で、シーリングのすき間から雨水が入ることもあります。

平成28年(2016年)の熊本地震のような大きな揺れのあとは、外壁材の固定がゆるんだり、見えない部分でモルタルやタイルが浮いたりしていることがあります。大きな地震のあとは、目立つ被害がなくても、一度点検を受けておくと安心です。

外壁の浮きの見分け方と点検方法

  • 外壁材が反って、板と板の継ぎ目に段差やすき間がある
  • 外壁の表面が波打ったように見える(うねり)
  • シーリングが切れたり、はがれたりしている
  • モルタルやタイルに、ひび割れや膨らみがある
  • 釘の頭が浮いている、外壁材が割れている

モルタルやタイルの浮きは、見た目だけではわかりにくく、専門の業者がテストハンマーなどでたたいて、音の違いで調べます(打診調査)。ケイミューは、高所作業を伴う点検やお手入れ、塗り替えや補修工事をお施主様ご自身で行わないよう求めています(ケイミュー)。高い場所の確認は業者に依頼しましょう。

自分でできる簡易点検(地上から見るポイント)

  • 朝や夕方など、外壁に斜めから光が当たる時間に見ると、反りやうねりが見つけやすい
  • 家の角や窓まわり、日当たりの強い南面・西面を中心に見る
  • 雨のあとに、室内の壁や天井にシミが出ていないかを確認する
  • 気になる場所はスマートフォンで写真を撮り、前回の写真と比べる

はしごに登ったり、浮いた部分を押したりたたいたりするのは危険なので避けましょう。地上から見て気になる点があれば、点検を依頼してください。

外壁の浮きを放置するリスク

  • 雨漏り:すき間から雨水が入り、壁の中の防水シートや下地、室内まで傷める
  • 下地の腐食:壁の中の木材が湿って腐り、外壁材を留める力がさらに弱くなる
  • 外壁材の落下:浮いたモルタルやタイル、サイディングがはがれて落ち、人や車に当たるおそれがある
  • 補修費用の増加:部分補修で済む段階を過ぎると、張り替えなど大がかりな工事が必要になる

ケイミューも、適切なメンテナンスがされずに放置されると、サイディングだけでなく建物全体の劣化を早めることにつながると注意しています。雨漏りの原因については雨漏りの原因はどこ?で解説しています。

外壁の浮きは、外壁の防水性が低下しているサインです。隙間から侵入した水分が内部で広がると、塗膜の剥がれや下地の傷みが進行します。コーキングの切れが原因のことも多く、浮きのある外壁を高圧洗浄すると、すき間から水が入り込むおそれもあるため、塗装の前に浮きの有無を確認して判断することが大切です。

アパートなどの集合住宅では、浮いた外壁材やタイルが落ちると、入居者や通行人に当たる危険もあります。オーナーの方は、定期的な点検で早めに見つけておきましょう。

浮きを見つけたときの初期対応

  • 浮いている場所を、離れた位置と近くの両方から写真に撮る
  • 浮いた部分には触らない。下を人が通る場所なら、近づかないよう家族にも伝える
  • 室内に雨染みがあれば、その場所も記録しておく
  • 塗装や外壁の工事から保証期間内であれば、工事をした会社に連絡する
  • 点検を依頼し、原因を調べてから補修の方法を決める

保証の対象になるかどうかは、保証書に書かれた対象と条件で決まります。確認のポイントは外壁塗装の保証とは?で紹介しています。

外壁の浮きの補修方法と選び方

補修方法向いている状態内容
ビス・釘での固定サイディングの浮きが軽く、外壁材が割れていない浮いた部分をビスなどで固定し直し、頭をシーリングで保護する
シーリングの打ち替え継ぎ目や窓まわりのシーリングが劣化している古いシーリングを撤去し、新しく打ち替える
部分的な張り替え反りや割れが大きく、固定で戻らない傷んだ外壁材だけを新しいものに交換する
エポキシ樹脂の注入モルタルやタイルが浮いている浮いた部分に穴をあけて樹脂を注入し、下地と接着させる
カバー工法・全面張り替え浮きや反りが広い範囲にある、下地も傷んでいる既存の外壁の上に新しい外壁材を張る、または外壁材をすべて交換する
塗装補修後の保護、軽い劣化補修した部分を含めて塗装し、防水性を回復させる

ケイミューは、定期点検で部分的な亀裂や欠けが見られた場合は、パテ埋め補修や部分的な張替え、塗装など、状況に応じた補修を行うよう示しています(ケイミュー)。補修のあとは、塗装で外壁全体の防水性を回復させるのが一般的です。カバー工法の考え方は、屋根の例ですが屋根カバー工法とは?でも紹介しています。

タイル・モルタルの浮きと定期報告

マンションやビルなど、建築基準法の定期報告の対象となる建築物では、タイル、石貼り等(乾式工法によるものを除く)、モルタル等の外壁について、おおむね6か月から3年以内に一度の手の届く範囲の打診等に加え、おおむね10年に一度、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分の全面的な打診等を行うこととされています。令和4年1月18日の告示改正で、無人航空機(ドローン)による赤外線調査で、テストハンマーによる打診と同等以上の精度を有するものも、打診以外の調査方法として明確化されました(国土交通省「定期報告制度における外壁のタイル等の調査について」)。

戸建て住宅は定期報告の対象外のことが多いものの、タイルやモルタルの浮きが落下すれば危険なことに変わりはありません。ひび割れや膨らみに気づいたら、早めに調べてもらいましょう。

外壁の浮きを予防するメンテナンス

  • 年に1回程度、外壁の反り・すき間・シーリングの状態を見て回る
  • チョーキングや塗膜のひび割れが出てきたら、塗り替えを考える
  • シーリングのやせ・ひび割れ・はがれは、早めに打ち替える
  • 地震や台風のあとは、外壁の浮きやひび割れを確認する

ケイミューのメンテナンス資料では、日常点検の目安を1回/年程度としています(ケイミュー)。塗り替えの時期の考え方は外壁塗装は何年ごと?、ひび割れの補修は外壁のひび割れ補修で解説しています。

外壁の浮きの補修費用と施工事例

外壁の浮きの補修費用は、浮きの範囲、外壁材の種類、補修方法(固定・張り替え・樹脂注入など)、足場の要否、塗装を同時に行うかで大きく変わります。当社の料金ページには浮きの補修の金額を掲載していないため、現地調査のうえでお見積り(要相談)としています。外壁塗装と同時に補修すれば、足場を1回で済ませられます。

当社の補修・雨漏り修繕の施工事例

  • 熊本市の動物病院:躯体の打診検査からエポキシ樹脂注入、外壁から屋上防水のトップコートまで、外装をまとめてメンテナンス(施工事例
  • 熊本市中央区下通の店舗ビル:外壁のクラックとALC目地のシーリングの劣化による雨漏れを、ロープアクセス工法で補修(施工事例
  • 菊池郡菊陽町の戸建て住宅:シーリングを打ち替え、平らになった目地に既存と同じ模様をつけてから外壁を塗装(施工事例

外壁の浮きに関するよくある質問

Q. 外壁の浮きは塗装だけで直りますか?

浮きそのものは、塗装だけでは直りません。固定し直す、樹脂を注入する、張り替えるなどの補修をしてから塗装する必要があります。

Q. 自分でビスを打って直してもいいですか?

下地の位置がわからないまま打つと、効かなかったり、防水シートを傷めたりすることがあります。高所の作業は危険でもあるため、業者に相談しましょう。

Q. 外壁の浮きは火災保険の対象になりますか?

台風や地震など自然災害による損傷は、契約内容によって補償の対象になる可能性がありますが、経年劣化による浮きは対象外です。詳しくは雨漏りの修理に火災保険は使える?をご覧ください。

Q. 浮きかどうかは、どうやって確認するのですか?

サイディングの反りやうねりは、目で見て確認できることが多くあります。モルタルやタイルの浮きは見た目ではわかりにくいため、テストハンマーでたたいて音の違いを調べる打診調査を行います。広い範囲を調べる場合は、赤外線カメラを使う方法もあります。

まとめ|浮きは早めの点検と補修を

  • 外壁の浮きは、サイディングの反り、モルタル・タイルの浮きなど、外壁材が下地から離れる症状
  • 原因は、吸水と乾燥のくり返し、温度変化、シーリングの劣化、固定の不良、地震や台風など
  • 放置すると、雨漏りや下地の腐食、外壁材の落下につながる
  • 補修は、固定・シーリング・部分張り替え・樹脂注入などを状態に合わせて選び、塗装で保護する
  • 年に1回程度の点検と、早めの塗り替え・シーリングの打ち替えが予防になる

熊本で外壁の浮きや反り、ひび割れが気になる方は、株式会社佐藤塗装にご相談ください。これまでの工事は施工事例でご覧いただけます。

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